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古い家をDIYでリフォームしている、アラフォー女の木葉らんです。
何もかもが古くなってしまったこの家の一番の問題は、水分が侵入しやすい床下でした。
湿気やカビ、腐食した木、シロアリの餌食となり、劣化は日々進んでいきます。
表面の見える部分だけを取り換えても、根本から改善しないと短いスパンで同じことが繰り返されてしまいます。
今回は家中の床下を開放し、基礎から湿気対策を始めることにしました。
水分をコントロールすることが、家を守ることにつながります。
床下から改造することは、床を支える基礎を守ることになり家全体の環境改善につながります。
このリフォームをして数年が経過したのですが、「やってよかった!」と実感しています
- 家中のカビ臭いにおいが消えた!
- 部屋がいつもどんよりした空気だったのが、爽やかに変わった!
- 冬は凍るように冷たかった床が、普通に歩けるようになった!
- 床の隙間を無くしたので、虫がいなくなった!
- 畳から檜フローリングにして、家が明るくなった!
今までが異常で過酷すぎる家だったので……暮らしが劇的に変わります。
古い家で床下が土のお宅なら、床下の改造をすると効果は絶対にあります。
今はホームセンターやネットで材料が簡単に手に入る時代なので、徐々に計画を進めて実践してみてください。
老後にやろうなんて悠長なことを言ってないで、身体が動くうちにやってくださいね。
人間も家もあっという間に、ポ●コツになってしまうので。。。
やれるときにすぐやる!
- 作業の手順
- 床下を綺麗に掃除する ← 今回はココ
- その上に強力防湿シートをまんべんなく敷く ← 今回はココ
- 更に、床下調湿剤の床下さらりを撒いておく ← 今回はココ
- 根太を交換または増やし、強度をつける ← 今回はココ
- 根太の上に、針葉樹合板(12mm厚)を入れる
- その上に、杉の角材(30×45mm)を入れる
- 断熱材を、隙間なく入れ込む
- 針葉樹合板(12mm厚)を入れる
- 最後に、フローリングを貼る
床下の防湿対策はコレ!
【床下改造】ポンコツ家を大復活させる!フローリングへDIY
家中の畳をすべて撤去して、荒材(下地材)を取り除くと……
この家の床下を見ることが出来ました。床下は土です。
そこは湿気やカビ臭さが充満しており、さらに私の苦手な害虫たちの死骸も……見え隠れしています。
自分で出来る防虫・駆除策として、バルサンを2回焚くことにしました。
一番気がかりだったことは、シロアリの存在です。
床下は土でジメジメしていたので、湿気を好むシロアリが床下の木を食い荒らしてはいないかと心配でした。
全体的に、白アリらしき食害はありませんでした。
- 白アリ点検のセルフチェック
- 水漏れしやすい台所や風呂まわり洗面所などを重点的に確認する
- 工具やハンマーで叩いてみて、凹んだり木が崩れる所は要注意
- 木が腐ってボロボロ崩れる
- 蟻道がある
- 木くず・羽・糞・死骸を見つけた
床下の白アリ被害がある場合は、土台の腐食が進んでいる可能性があります。
万が一発見せずに済んだとしても、白アリ予防対策として念のため防腐剤を塗っておくと安心です。
床下の木材は、念入りに保護しておきましょう。
1-1. 床下を綺麗に掃除する
床下の掃除を軽装で行うなど、軽い気持ちでやるのは危険です。
皮膚の弱い人やアレルギー体質の人は、特に気をつけてくださいね。
目に見えない虫が襲ってきて、体調を壊してしまいます。
まずは窓を全開にして、換気を行いながらやるのが条件です。
そして、万全の装備をしてください。
- 床下掃除の作業装備
- ゴム手袋……しぶとく生息しているダニに吸血されてしまうので、軍手はダメ
- ゴーグル……ホコリが目に入らないよう防御する
- マスク……鼻と口を覆い、なるべく体内に侵入できないようにする
- 長袖・長ズボン……肌をすべて隠す服装にする
- 帽子……頭皮も出来るだけ隠す
- 虫よけスプレー……害虫対策に顔以外の特に肌の柔らかい部分にスプレーしておく
バルサンを2回も焚いたので、部屋中を害虫駆除できていると思っていたのが大間違いでした。
隅の方に隠れていたり生命力の強いヤツもいるので、この作業装備を怠ると後で痛い目に遭います。
この後本当に体調を壊してしまい、生活に大きな影響がありました。
掃除をして数時間が経過したころに、体中をダニに刺されていることに気が付きました。
それからが地獄の始まりで、あちこちから強い痒みが襲ってきて精神的に参ってしまいました。
それも2~3日で症状が治まればいいのですが、硬いしこりのような腫れで1週間以上続きました。
私はもともとアレルギー体質ですが、さらに悪化してしまったので反省ポイントでした。
床下は湿気やカビなど細菌が大量に生息しており、目に見えないゾンビみたいな環境です
害虫駆除のお仕事をされている方の苦労を想うと、改めて大変なお仕事だと思います。
害虫の死骸を吸い込むと、肺気管を悪くして回復が長引くこともあります。
実は持病のアレルギー性鼻炎がひどくなって、数か月後に手術を行いました。
はじめての経験で注意が足りず辛い日々を過ごしたので、同じ経験をしないように是非装備を甘く考えないで作業を行ってください。
そしてできるだけ短時間で、床下の掃除を終わらせてください。
1-2. 床下の湿気対策
面は土なので、押入れの施工と同様に強力防湿シートを全体に敷き、その上に床下さらりを満遍無く撒いていきます。
強力防湿シートは厚みのある透明シートで、ハサミやカッターで切ることが出来ます。
簡単に穴が開いたり破れることがないので、地面からの湿気を上に逃がしません。
- 強力防湿シートS
- 巾:1.8m
長さ:50m
厚さ:0.15mm
素材:ポリエチレン
重さ:約7kg
このシートをカットして、床下に敷き詰めてきます。
シートとシートが重なり合うところは、150mm以上重ねて粘着テープで貼り合わせます。
50m巻きなので、ケチらず使っても大丈夫です。
床下には束があるため、うまく貼り合わせて隙間をつくらないようにしていきます。
床前面にシートを貼ることが出来たら、その上にアイリスオーヤマの床下調湿材 「床下さらり」を撒いていきます。
床下用の調湿材のことで材質は天然ゼオライト、敷くだけで調湿・防虫・防カビ・消臭の効果があります。
- 施工量の説明
- 一坪あたり20kg(2袋)
(つまり、1畳で10kg1袋を使用する)
1坪や1畳などややこしい単位で分かりにくいかもしれませんが、6畳の部屋なら6袋を準備します。
北向きや水廻りなど湿気が多い場所には、1袋多めに撒いておくといいかもしれません。
シートがズレたりめくれない様に、シート上にブロックを置きました。
床下なら邪魔になる事もありません。
【床下の構造】根太の強化と床の高さの計算
家を支えている床は上物を支える基礎なので、健康状態が良くないと次第に家が傾いていきます。
床下は長年「土」だったこともあって、木の状態が気になりました。
床下の構造は単純で、束・大引き・根太があります。
これらの木が床を支えているので、折れたり腐食していた場合は取り替える必要があります。
何十年も重さに耐え続けてきたのに、折れている木はありませんでしたが、根太は多少痩せている感じがします。
床下が土の場合は根太が湿気で経年劣化するので、床下を開けたら全部取り替えておくほうが良い
ということなのですが……
実際やると、これは結構大変な作業です。
なぜなら……
太い釘で根太と大引きを打ちつけているため、抜くことがかなり大変なのです。
釘の錆びも所によってはあり、全部を引っこ抜く作業は重労働。
根太はまだ使えそうなので、強度を増すことを考えて根太を増やすことにしました。
2-1. 根太を追加して、強度UPする
既存の根太の横に並べて、新しい根太を新設します。
昔の大工さんは、釘を使っていたんですよね。
ハンマーでひとつづつ打ち付けているので、本当に頑丈です。
今は便利な工具が手軽に手に入りますので、素人でも大工仕事が出来てしまいます。
それでも、用途に応じたパワーのある電気工具を使わないと、効率が悪いです。
それと、ビスを打ち付けていく前に、下穴を開けておく必要があります。
はじめの頃は充電式電動ドリル1本で作業をしていましたが、かなり効率が悪く時間も体力も消耗してしまいます。
ドリルビットを交換する度に、交互にドリルチャックを開閉するので手首をねじって痛めてしまいました。
連続作業なので長時間使いすぎると、電動ドリル本体が熱を帯びて煙が出ることがあります。
この症状になると、本体が冷えるまで使えなくなります。
作業効率を改善するために、2種類の電動ドリルを準備して使い分けます。
- 下穴をあける → コード式電動ドリル(穴あけ用)
- ビスを打つ → 充電式電動ドリル(ネジ締め用)
使用するビスが長いので、パワーが必要になります。
使用したビスは、径4.2mm 長さ75mmのコーススレッドです。
このビスを打つ前に下穴を開けますが、下穴のサイズは使用するビスの径の7~8割くらいを目安に準備します。
4.2mmのビスの場合、その7割の3mmあたりのドリルビットで下穴を開けます。
摩擦熱があり途中で何本か折れてしまいますので、予備を2~3本買っておいてください。
根太を大引きに打ち付ける単純作業をひたすらやっていきますが、結構力作業で疲れます。
腕がパンパンになりました……
翌日はもっとひどく、筋肉痛は当たり前です。
だんだんコツが掴めてくると、作業がはかどってきます。
- 電動ドリルの使い方のコツ
- 電動ドリルを根太に対して垂直に持ち、ドリルの背をぐっと押し付けて体重を乗せます
➜押し付け方が弱いと、ネジの頭がつぶれたり正確に打ち付けられません
ビスが中途半端で緩みがあると、音鳴りの原因につながります。
ここで妥協すると後悔するので、しっかり打ち付けておきます。
フローリング貼り後は、根太の補強をしたことで床がしっかりしていると実感しています。
家中の床下を、すべてこのようにしていきました。疲れました……。
ですが、出来上がった時の達成感は最高!です。
2-2. 床の高さの計算
畳の和室をフローリングにする場合、床までの高さを計算しておく必要があります。
フローリングを貼り終えた時に、段差が出来てしまったら最悪ですよね。
和室の部屋なら敷居があるので、敷居に合うように高さ調整をして、床下の構造を設計していきます。
まず、使っている畳の厚みを実測しておきます。60mmありました。
畳の部分(60mm厚)を処分して、フローリング(15mm厚)に変更します。
そうすると、畳とフローリングの厚みの差=45mmを代用するものが必要になります。
または束の高さを45mm上げてもいいですが、大変な作業になるのは目に見えています。
束を高くするためには、束・大引き・根太を解体して組み直す必要があるからです。
そんな技術も自信も体力もないので、既存の束のまま使います。
厚みの差45mmの分を、根太30mmと合板12mmの合計42mmで補うことにしました。
3mm足りないので心配でしたが……実際は全く気になりません。
説明したように、束の長さを長くすれば一般的な捨て張り工法で調整ができます。
今回のポイントは、サンドイッチのように根太+合板を2重に重ねることです。
名づけてサンドイッチ工法!ちなみに勝手にネーミングしました。
根太と合板のコストが高くなってしまいましたが、必要経費だと考えて実践します。
ちなみに、フローリングに近い上部の根太と根太の間には、びっしりと断熱材を入れています。
この厚みのおかげで、畳でさえ冬に底冷えしていたのが本当に寒くなくなりました。
靴下を履いていても、つま先歩きをしなければならない極寒の家でした……
ちなみに床暖房ではないので、ポカポカ温かいというのは全くありません。
普通に床の上を歩けるだけでも、この家ではスゴイことなのです。
しかも敷居に合わせて、バリアフリーになりました。
- 畳からフローリングにリフォームするためには、床の高さを調整することがポイント
- 捨て張り工法 … 束の高さを変更する
- サンドイッチ工法 … 下地間の根太や合板を重ねて、高さを調整する
※サンドイッチ工法という名前は、私が勝手に名付けたものです(ご注意を!)
最後に、床の高さの計算をおさらいすると……
畳60mm厚を撤去した分は、フローリング15mm+合板12mm+根太30mm=合計57mmとなりました。
次に部屋の大きさに関して、です。
同じ6畳でも、地域によって標準サイズと比べて差があります。
この家の畳は一般サイズより広めになっているので、部屋に対して使う資材が足りなくなってしまいました。
畳一枚のサイズが大きいので、一般サイズの合板が短くなります。
根太の上に合板を被せていくと、標準のサイズよりも広い家だと合板の面積が足りず、隙間が発生してしまいます。
そうすると、足りない分の合板をカットして、追加で貼り合わせなければなりません。
どの部屋もサイズが大きい部屋だったので、材料費も余分に必要となりました。
材料の準備をする前に、畳のサイズを測って確認してください。
【床下の環境】床下の風通しと防虫侵入対策
床下は換気がとても重要です。
屋外側の基礎周りの床下通気口に、物を置いて通気を妨げていないか……
そういう所も見落とさないように、チェックしておきます。
そして、床下を開口しているうちに、防虫侵入対策をします。
床下を掃除していると、蛇の抜け殻を発見しました。
ゴキブリだって侵入できる通気口なので、すべての換気口の穴を網で塞いでおきます。
ホームセンターで探してみると、床下換気口用の商品が売っています。
錆びない材質のステンレス製
ステンレス製 + スライド開閉式
でも、これをどうやって取り付けるのだろう……と悩みました。
ステンレス製の金網だけカットして取り付けようかと考えましたが、ステンレスはコストが高くなります。
安い鉄製はそのうち錆びてしまうので、却下です。
これに変わる激安商品で代用します。
材料は鉢底のネットとして使う、ポリエチレンの網を使いました
網目が小さく丈夫なので、かんたんに破れません。
屋内側から貼れば、日焼けによって経年劣化を防ぐことが出来ます。
床下から取付けるのが難しい場合は、屋外からでも取付けることができるので、ぜひやってみてください。
コーキング剤を塗って、コンクリート部分に貼り付けているだけです。
しっかり接着していて、数年経過しても外れていません。
ちなみに、ダイソーの100円均一でも売られています。
- 網の取付け方法
- 大引きにビスを打ちつけ、コンクリート部分にはコーキングで固めると全体をピタッと張ることができます。
家の外からでも侵入経路をすべて塞いでおくと、虫の侵入が激減します。
是非やってみてください!効果ありです
【床下の強化】根太掛けと根太増量
家の中でも水廻りの台所や洗面所、重たいピアノや食器棚を置いたりする場所は床が傷みやすくなります。
床下の根太を確認してみると、湿気の多い付近は根太が痩せていました。
単純に、根太を増やせば強度も上がります。
場所によって根太の間隔を通常の半分にして、根太の本数を増やしているところを作りました。
根太を強化するために根太を追加するのですが、しっかり支えてくれなければ意味がありません。
支えの場所を増やす根太掛けをつくって、その上に根太を貼っています。
- 根太掛け
- 土台に根太が掛けられない時、根太の端を支える横木のこと
根太掛けは細かい作業なのですが、長年同じ家に住んでいるとどこか凹みが気になる場所が出来てきます。
その場所がだいたい水廻りと敷居の周辺です。
根太の端の支えが弱くなってしまうので、この根太掛けは手を抜かずに取付けていきました。
上部が塞がれていてビス止めが難しい場所にも、土台の側面に横木を取り付ければ設置可能です。
根太掛けをすると、端の部分も丈夫な床になります。
まとめ
今回の床下の改造は、ココまでとなります。
作業の手順をおさらいします。
- 作業の手順
- 床下を綺麗に掃除する ← 今回はココ
- その上に強力防湿シートをまんべんなく敷く ← 今回はココ
- 更に、床下調湿剤の床下さらりを撒いておく ← 今回はココ
- 根太を交換または増やし、強度をつける ← 今回はココ
- 根太の上に、針葉樹合板(12mm厚)を入れる
- その上に、杉の角材(30×45mm)を入れる
- 断熱材を、隙間なく入れ込む
- 針葉樹合板(12mm厚)を入れる
- 最後に、フローリングを貼る
床下が頑丈なので、安心感があります。
古い家で隙間だらけなので、とにかく虫の侵入が悩みでした。
これだけ床下の改造を念入りにやったので、効果はどうだろうと心配していました。
すごいですよ。本当に虫GOKIはいなくなりました!!!
床下通気口の穴を塞いだことは、かなり効果があると実感しています。
第一に外からの侵入をシャットダウンし、床下から室内への侵入も出来なくなったので、あとは天井くらいしか侵入口はありません。
ですが、本当に家の中で虫を見なくなりました。
天井の課題は残っていますが……大満足です。
- 床下を綺麗に清掃し、湿気・通気対策をしてください
- 床下換気口の間口から虫が侵入しないように、網を張って予防できます(侵入予防)
- 畳からフローリングへリフォームする場合、床下の高さを調整します
- 床をしっかり支えるために、根太掛けや根太強化をすれば頑丈な床になります
何度も繰り返して家中の床下を改造したことで、本当に暮らしが変わりました。
一度に全部やるのは現実的に無理で大変なことなので、作業期間や場所を決めて徐々に完成させてみてください。
きっと、思い入れのある場所になると思います。
- 次回の記事
- 合板・根太を重ねて貼り、断熱材をまんべんなく敷き詰めて、フローリングの床に仕上げていきます