古い家をDIYでリフォームしている、アラフォー女の木葉らんです。
自宅に床下点検口がどこにもない!?
どこを探しても、この家には点検口がありませんでした。
40年以上経つ中古住宅になると、床下点検口がないことがあるらしいです。
ほとんどの家には設置されていると思いますが、多くの設置場所は台所や洗面所などの水廻りです。
普段生活している中では活用されることがあまりないので、存在を気にすることがありませんよね。
でも長年家に住んでいると、どこか設備の不具合が発生してくるものです。
そうなった時、床下や天井裏に潜って点検することになります。
自分の家の健康状態は、定期的にチェックしておいたほうがいいです。
- 床下点検口を定期的にチェックする項目
- 床下配管の水漏れ…配管の経年劣化を確認
- 床下浸水… 水が溜まっていないか確認
- 木の腐食… 白アリの確認
- 断熱剤の設置状況…断熱材が外れていないか確認
床下点検口がないなら、自分で自作するしかありません。
床下点検口を設置する場合、市販で買える枠を使うことが多いようです。
サイズの規格は30角・45角・60角がほとんどで、規格に合わせた開口寸法が決まっています。
開口するサイズが決まっているのかぁ…(できるか不安だな)
ちょうど台所の床は15mm厚の無垢フローリングを張っている最中で、その厚みが市販の枠にはまるのかという疑問がありました。
また、水道配管のヘッダーを入り口付近に設置するため、間口は大きくしておくことが必要です。
市販の枠を使わずに、DIYで台所に床下点検口を作ることにしました。
今回は、フローリング材を蓋と一体化させることで、違和感のない床下点検口が完成できました。
特に台所は日常生活で毎日使う場所なので、強度が落ちないように補強したり二重蓋にしています。
冷蔵庫を置くことになっても、強度は大丈夫でした!
- この記事のポイント
- 自宅に床下点検口がない場合の、後付け床下点検口の作り方を紹介します。
- 市販の枠を使わずに、完全自作の床下点検口ができます。
- 開口が大きくて強度が心配な場合でも、工夫すれば頑丈な床下点検口ができます。
こちらは市販の点検口を使って、天井裏も点検口を作りました!
『 天井裏点検口 -450角- 』の作り方DIYで完全自作の床下点検口の作り方!
1-1.床下点検口の設置場所と設計計画
台所のフローリング張りの後半部分で、床下点検口を設置していきます。
フローリングを張りながら床下点検口を作る方法を考えていましたが、開口部分を具体的に決めておくことは大事です。
床下には大引きの上に根太が存在しています。
普通は床下を完全に見る機会はあまりないと思いますが、床下からのリフォームをやっていたのでこのような状態を見ることができました。
開口するにあたって大引きをカットすることはできないので、細いほうの根太の一部をカットすることになります。
次の画像で言うと、縦にあるのが根太で横に一本見えるのが大引きとなります。
ちょうど赤い矢印の辺りに床下点検口を設置する予定で、点線部分の根太をカットします。
根太は床面を支える大事な木なので、周辺の補強は必要です。
1-2.床下点検口の蓋をつくる|フローリング蓋
床下の防湿対策を行った後、断熱材をいれて合板による床を張り終えています。
【関連記事】|【台所DIY】床下が土なら全面改装して防湿対策をする
①根太の切断
台所は水廻りで湿気が発生しやすい場所です。
特にこの家の台所や洗面所などは床の劣化がひどく、ブカブカした床になって危険なところがいくつかありました。
それも踏まえて床下の防湿対策を終えたところで、根太の強化もしています。
古い根太の状態は今すぐ折れるようなところは見当たりませんでしたが、湿気で痩せていました。
そこで、根太をもう一本横に並べて強化しています。水に強くて腐りにくいヒノキ材を投入しました。
水道配管のヘッダーを設置することもあり、間口は大きめのおよそ60角にしています。
およそといったのは、正確な60角にはできなかったためです。
根太の間隔は中心部から中心部までおよそ303mmで、追加のヒノキ材を入れたことで狭くなっています。
市販の枠で床下点検口をつくれないと判断した理由は、このような根太の条件(ヒノキ材追加)があったからです。
通常は追加のヒノキ材を入れることはないと思うので、規格通りの60角の枠を使えば枠組みができるはずです。
家の床下によっては根太の間隔が455mmの場合もあります。
その場合は、市販の45角の枠を使用すればよいです。
根太を切断すると、人が侵入できる枠ができます。
無垢のフローリング材を張り進めて、途中でいったん天井裏点検口を作ったですが、また少し張り進んで床下点検口の付近まで達したところからスタートします。
この先は床下点検口を作っていきます!
②床下点検口の蓋を切り抜く
合板を張った状態で、蓋になる部分を切り抜いていきます。
電動丸ノコを使うとキックバックが発生して危険なので、DIYに慣れていない人は手間がかかっても引き廻しノコを使って切り抜くようにしてください。
※この後の説明で、合板を切り抜く範囲の注意について参照して、理解しておく必要があります。
丸ノコは木材の端から直線切断するものなので、このような中央部分をカットするような場合は危険です。
市販の枠を使って作成する場合は、天井裏点検口のDIYでくり抜く方法を解説していますので、こちらを参考にしてください。
ここで気になった人もいるかもしれませんが、2重蓋にしていきます。
『合板部分の蓋①』と、その上に張る『フローリング材の蓋②』で二重蓋を作ります。
蓋②になる部分のフローリング材を600㎜の幅にカットします。
合板でくり抜いた幅を全部覆うためには、フローリング材は8枚必要になりました。
ここで仮置きして、合板の蓋を全部覆うように、その上にフローリング材を乗せています。
これが蓋②になるわけです。
とりあえずこの周りには、蓋部分を除いて隙間なくフローリング材を張っていきます。
シンク側のほうからフローリング材を張っています。
ここでフローリング材の蓋はどうやって取り外すのか?という問題点が浮上すると思います。
この無垢のフローリング材は、結構重さがあるんです。
市販の枠の場合は蓋が1枚で開閉することになるのですが、フローリング材8枚分を固定してしまうのはやめました。
フローリング材はサネという突起した部分があるので、ボンドなどで接着しても重量があるので安定せずに割れてしまうかもしれないからです。
何もせずに、パズルのような『はめ込み式』の蓋にしました!
③両端のフローリング材を、半分に2分割する
蓋になる部分の両端は、フローリング材1枚を半分にカットします。
フローリング材はオス実(雄実凸)とメス実(雌実凹)を組み合わせて張るものです。
ここで蓋となる部分だけは独立させておかなければ、取り外せなくなります。
上下の1番目と8番目のフローリング材の2枚だけ、半分に2分割します。
ここでの半分切断で活躍したのが、卓上スライド丸鋸です。
フローリング材の縦割りがきれいにカットできました。
【関連記事】DIYで床を張り替えるなら、丸ノコよりHiKOKI卓上スライド丸鋸!
ちなみに、使った卓上スライド丸ノコの最大切断寸法は直角の場合、50㎜(厚み)×305㎜(幅)となっています。
つまり、このフローリング材は約300mm幅までしか切断できないことになります。
そこで、半分カットしたらフローリング材を方向転換して切断しました。
最大切断寸法は300mmですが、その倍の約600mmまでフローリング材が切断できます。
しっかり材料を固定するために付属のバイスを使って、フローリング材が動かないように固定しました。
電動丸ノコでは絶対にこのようなきれいな切断面にはなりませんし、危険なので絶対におすすめできません。
卓上スライド丸鋸があると 本当に仕上がりがきれいなのが嬉しいです。(*´∨`*)
仕上げにヤスリを掛けておきました。
④両端のフローリング材だけ、半分にカットした理由
前列1番目と・後列8番目の2分割したフローリング材は、手前のフローリングと組んで雄実凸+雌実凹を組あわせて床面にビスで固定します。
切断面のサネがなくなってしまったほうを内側にして、張っています。
ここで合板の蓋よりも外側になるように設計しておくことが重要です。
重なってしまったら、固定するので蓋が開きません。
- 合板を切り抜く範囲の注意
- 固定する2分割の木材が、切り抜く合板の外側になるように設計しておく必要があります。
1番目と8番目の2分割した材料以外は蓋になるので、床面に固定しません。
さきほど説明した通り、フローリング材はパズルのようにはめ込み式になります。
失敗ではないのですが、どうも納得できないことが…(´・_・`)イマイチダナ
蓋との境目がちょっとズレたり、ジグザグになってしまうことです。
これは考えていなかったので、何かいい方法はないかなぁと考えていました。
ちょうどガラクタ木材箱を見てみると良いもの発見しました!(´*´∀`)ミツケタ
フローリングの厚みと同じだった、この補助棒を挟むことで一発解決しました。
これで、真っ直ぐの縦の壁ができあがりました。
まずはこの位置をキープして、残りのフローリング材をどんどん張っていきます。
作成した後にどうなるのかな?と不安もありましたが、結果的にこれで良かったと満足しています。
蓋の周りのフローリング材を張り終えました。
周りのフローリングとの境目のラインも揃っています。
違和感なく、自然な感じに仕上がりました。
蓋の開け方ですが、普段はこの上を歩いて他の床と変わりありませんが、補助棒を外せば隙間ができて緩むため中のフローリング材が外れるようになります。
⑤床下点検口の補強策|根太補強
60角のサイズの場合はすぐ下の根太を切断してしまっているので、どうしても不安定な感じがします。
- 床開口のデメリット
- 開口部分が大きいと、床面の中央部分の強度が弱くなります。➜補強する
この問題点を解消するには、開口部の中央に根太をつくることで補強します。
根太受けという金具を両端に設置して、中央に根太を1本追加します。
根太掛けサイズは様々なので深さが余る場合は、底に木材の端材などを入れて高さを合わせる(面合わせ)と良いです。
根太受けを設置したら、面合わせして根太幅のサイズにカットした木材を入れてみます。
今まであった根太と同じように床面を支えていると思うと、安心です。
中央の根太は固定せずに取り外せるようにしておきます。
床下補強材としてもう一つ、鋼製束を入れておきました。床面も平らなほうがいいので、ブロックの上に乗せています。
床からの高さを測定してサイズを選び、クルクル回転して高さ調整します。
フラットタイプよりL字タイプのほうが、しっかりホールドできてずれにくいです。
これくらい補強しておけば、もう大丈夫です。
1-3.規格品の床下点検口|市販品
市販で売られている床下点検口は、だいたい3種類のサイズがあります。
規格品を選択する場合、床の切り抜きサイズが30角・45角・60角のいずれかを選ぶことになります。
これは説明したように、根太の間隔に合わせて設置していくからです。
後付けで床下点検口をつくる場合、床下の根太の位置や間隔によってサイズを選ぶのが一般的です。
使用頻度が少ないので床下点検口なので最小の30角を使用しても良いですが、体格のいい人は出入りが難しいかもしれませんね。
しっかり補強しておけば大丈夫なので、どうせなら大きいサイズをおすすめします。
30角サイズ
45角サイズ
60角サイズ
他にも、高気密・断熱タイプ、防臭・防水タイプ、高荷重タイプ、などと選択のラインナップがあります。
また、床下収納としてスペースを確保することも出来ます。
こだわりがあるなら、取っ手を取付けてみてもいいですね。
まとめ DIY床下点検口の作り方!市販の枠は不要、完全自作でフローリング蓋も作る
これでやっと、この家にも床下点検口が出来ました!
完全に自作ですが、思った以上によく出来たので満足しています。
台所は重たい棚や冷蔵庫などが配置されるので、床に負荷がかかってしまいます。
毎日利用する場所でもあるので、万が一のためにも補強しておくことは大事だと思います。
市販の枠を使わずに無垢のフローリングで床下点検口を作りたい場合は、是非チャレンジしてみてくださいね。
フローリング張りは根気が必要ですが、達成感があって綺麗な床ができると気持ちいいです。
ただこれだけは言わせてほしいのですが、卓上スライド丸鋸を準備して始めたほうがいいです。
電動工具での丸ノコはおすすめしません。
ぜひ、こちらの記事ものぞいてみてください。
【関連記事】DIYで床を張り替えるなら、丸ノコよりHiKOKI卓上スライド丸鋸!
というわけで、今回は以上です。
これからもブログとTwitter で、DIY&リフォームを発信していきます。では。
こちらは市販の点検口を使って、天井裏も点検口を作りました!
『 天井裏点検口 -450角- 』の作り方