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古い家をDIYでリフォームしている、アラフォー女の木葉らんです。
硬いコンクリートや外壁に何か固定したいとき、普通のビスを使ってもすぐに取れてしまいます。
その素材に適したビスや材料を使えば、思い通りになるかもしれません。
適材適所にするというです。
今回は、水道配管を固定するために、モルタルの外壁にビスを打ち付けてみました。
モルタル壁には『〇〇』コンクリートには『△△』というように、材質によって何を使えばいいか知っていれば、思い通りのDIYが楽しめる一歩になると思います。
是非、試してみてください。
- この記事のポイント
- モルタル素材の外壁に『ノンプラビス』を使って水道配管を固定する
- ビスを打ち込む前に『プラグ』を入れて固定する
この2つの方法で、水道配管を固定してみました。
モルタル壁やコンクリートにビスが打てない場合
コンクリートやモルタル壁にビスを打ち込むとき、一般的に使用する木ネジではビスが利きません。
すっぽりと抜けてしまうのです。
そんな場合に、コンクリートに下穴を開けて普通にネジを締める専用のネジ「ノンプラビス」があります。
または下穴に『プラグ』入れることで尖った爪で引っ掛けるアンカー(錨)の役割をして抵抗を生み、ネジを締める方法もあります。
固定するためのプラグは、色々な種類があります。
まずはプラグを必要とせずに使える、専用のビス(=ノンプラビス)から見ていきます。
1-1. プラグが不要なノンプラビスを使う
普通のビスと見た目は変わらないけれど、直接コンクリートにねじ込んで使うノンプラビスという商品があります。
ノンプラビスを使う場合は、プラグ類は一切不要です。
その名の通りですが、ノンプラビスはプラグ不要のビスという意味です。
通常のビスと同様に、ねじ締めが可能です。
プラグって何?と思った人は、ノンプラビスの説明の後でプラグについても説明しています。
- ノンプラビス
- プラグ類は一切不要
- 直接コンクリートにねじ込んで使用できる
- ドライバーで簡単に取付けが可能
- 錆びないメッキ処理
- 見た目は普通のビスと変わらない
見た目は、ほとんど普通のビスと変わりませんね。
施工方法もかんたんです。
まずは、下穴を開けておく必要があります。
当然ですが、使うノンプラビスのサイズに応じた下穴をあけてください。
ノンプラビスのサイズよりも大きな下を開けてしまったら、当然固定できなくなってしまいます。
ブカブカの穴には固定できませんよね。
施工手順は次の通りです。
【 対象材質 】コンクリート、ブロック、レンガ用に施工が可能です。
下穴を開けたら中に切粉が溜まってしまうので、取り除いておきます。
何も考えずにふぅ~と吹いたら、自分の顔に降りかかってしまいます。
目の中に異物が入ると危険なので、やめてくださいね。
一番手っ取り早いのは自宅にあるストローを探して、軽く吹きかけて除去してみてください。
こんな便利な小道具もあります。
今回使ったノンプラビスはこちらです。
家の外壁に水道配管用の金具を取付けるために、ノンプラビスを用意しました。
手順にもあったように、下穴を開けておきます。
サイズはパッケージに記載されている下穴径をよく確認してください。
直径4mmのノンプラビスに対して、下穴は3.5mmです。
繰り返しになりますが、ノンプラビスよりも大きな下穴を開けないようにしましょう。
外壁の材質はモルタルです。
説明書をよく見ると、モルタル壁用とはどこにも書いていないことに気が付きました…。(見落としていた。)(゚∇゚ ;)アレッ!?
【 対象材質 】コンクリート、ブロック、レンガ用に施工が可能です
\ ドリルに注意 /
- モルタル外壁の場合は、電動ドリルで下穴を開けることが可能です。
- コンクリートやブロックには、振動ドリルを使わないと下穴を開けるのは難しいです。
試しに、モルタルの外壁にノンプラビスでネジ締めをしてみることにしました。
しっかりとネジが締まった時と、全然ビスが利いていない時がありました。
下の失敗したところは、締めても空回りしてすぽっと抜けてしまいました。
ネジが効かないので、この穴はもう使えません。
やってみて感じたことは、このように不安定だと重い水道配管をしっかり支えられるか不安です…(´・ω・`)
やはりモルタル壁にはノンプラビスは向いていないようです。
当然ですよね…説明書に書いてある内容をしっかり確認しましょう。
【材質に注意】ノンプラビスは、コンクリート、ブロック、レンガ用に施工が可能です。
今回、モルタル壁にノンプラビスを使ってみましたが、100%使えないと言うわけではありませんでした。
ただし、ノンプラビスをねじ込む過程でモルタルが壊れてしまうのです。
成功した箇所もありましたが、確率は半分といったところです。
このように、一か八かでは作業ははかどりません。
あくまでモルタル壁では不向きだったということです。
コンクリートなど硬い材質にネジ締めする方法は、別にもう一つあります。
下穴を開けて、プラグを入れてビス止めを行う方法です。
コンクリートやブロックなどでもノンプラビスが不安定だった場合は、やはりこちらのプラグを使ったほうが安定して固定できます。
では、次はプラグでモルタル壁に固定してみます。
1-2. 下穴にプラグを入れる【 アンカー|錨(いかり) 】
今度はプラグを使ってみました。
プラグは錨のように、尖った爪が穴の中の壁材に刺さることで抵抗力を生みます。
つまり、抜けにくくなります。
錨のことをアンカーと言ったりしますよね。
「アンカーボルト」とか「アンカープラグ」という名前を聞いたことがあると思います。
これらを使う場合は、コンクリートなどの硬い部分に固定するような場合に使います。
例えばコンクリートブロックに看板を貼りたいときや、駐車場にクルマ止めを取付けたいときなど、テープで貼るわけにはいきません。
そこでしっかり固定するために、アンカープラグを使用します。
- アンカープラグの特徴
- ➜アンカープラグはコンクリート部分に何かを取付けたり固定するときに用いる、プラグのことです。
【 特徴 】
- 物と物を留めたり接続するものを「ファスナー材」と呼びます。
- その中で物を留めるためにコンクリートに打設するものを「アンカー」と呼び、さらにコンクリートが固まった後穴あけをして打設するものを「あと施工アンカー」と呼びます。
施工方法によってアンカーの種類が ①金属系アンカー ②接着系アンカー ③その他のアンカーに分けられます。
アンカーの種類が多くて、用途に応じて使い分ける必要があります。
基本的に施工方法は、下穴を開けてアンカーを挿入したのちに、ボルトを打ち込みます。
詳しい内容が知りたい場合は、日本建築あと施工アンカー協会を参考にしてみてください。
知識や技術向上のための資格認定制度もあります。
①その他アンカーを使う|プラスチックか鉛か
説明が長くなりましたが、ここから実践です。
アンカーの種類の中の「その他アンカー類」に分類される、アンカープラグを使います。
ホームセンターに行くと、樹脂製プラスチックの商品がたくさん並んでいて迷ってしまいます。
中でも、片隅に置いてあった鉛製のプラグ(カールプラグ)を選択しました。
なぜこれを購入したのかというと…
1箱100本入り 494円(税込)
100本も入って約500円は安いですね。
- カールプラグ(鉛)
- カールプラグは鉛製の軽量取付けプラグの一般品です。
- コンクリート・ALC・ブロック・大理石・タイルなどに使用できます。
- 材質は鉛が主成分の特殊合金のため、耐酸性に優れ、永久的に錆びません。
- 使用木ねじはサイズに応じて材質、形状選択できます。
- 配線、配管、ガス水道工事、ダクト工事等に使用されています。
カールプラグは比較的小さなサイズ用で、5mm程度までの木ネジを使用する場合に使われます。
これより太い木ネジを使う場合は、樹脂製のプラグを使用します。
100本も使うことないけど…小分けした商品が割高だったのでこの商品にしました。
ただ…これにも『モルタル壁用』とは書いていません。
- カールプラグはモルタル壁に適合するのか?
- モルタル壁に、固定金具が取付けられるのか?
- 重い水道配管を、支える強度はあるのか?
ノンプラビスは不安定な結果でしたが、今回のカールプラグの効果を確かめてみることにしました。(。・ω・)ノ゙ヤッテミヨウ
1-3. プラグを入れてビス止めする【 カールプラグ 】
施工手順を紹介します。
- STEP 1①モルタル壁に穴を開ける電動ドリルにドリルビット5.0mmを装着して、穴を開ける。
- STEP 2②カールプラグを挿入するカールプラグの先端が引っ掛かる所まで、挿入する。
- STEP 3③シリコンシーラントを挿入する屋外の場合はひと手間掛けて、防水処理をしておく。
- STEP 4④T足を取付けるカールプラグより長いビスを使って、T足を設置する。
①モルタル壁に穴を開ける
まずは、モルタル壁に下穴を開けていきます。
商品のパッケージに、ドリルサイズ4.8mmと記載があります。
一番近いドリルビットが5.0mmしかないので、これを使います。
電動ドリルの背を押しつけながら、回転を低速にしてゆっくり穴を開けることが大事です。
普段通りの速度でやると、モルタル壁にヒビが入って失敗してしまいます。
穴が開いたら、その中の埃の切粉を取り除きます。
②カールプラグを挿入する
カールプラグを穴に入れようとしましたが、穴の途中までしか挿入できません。
そんな時は、ゴムハンマーで軽く叩いてみれば大丈夫です。
あたまの部分に突起があって壁に引っ掛かるので、奥まで抜けません。
③シリコンシーラント(防水接着剤)を注入する
つぎに、防水処理のためにシリコンシーラントで隙間を埋めておきます。
シリコンシーラントは、樹脂で出来た防水性にすぐれた接着剤。接着力も強力なので、風呂場や家の外壁などの隙間を埋めたり、破損の補修にも使われます。
屋外で行う場合はビス穴から雨水が染み入ることが無いように、このひと手間を掛けておきます。
ここはテラスの中なので雨水が入る場所ではありませんが…一応屋外なので念のため。(やっておきます)
④カールプラグで取付金具を取付ける
モルタル壁にビスを取付けるそもそもの目的は、水道配管に使う取付金具のT足を固定するためです。
下穴にカールプラグを差し込んだら、次はビスを使ってT足を固定します。
使用するビスのサイズを確認しておきます。
商品のパッケージに、木ネジサイズ3.8~4.1mmと記載があります。(木捻子と読みます)
これは、ネジ頭ではなくて螺旋状のねじ部分の直径のサイズ(太さ)のことです。
カールプラグのサイズは、8×25で、つまり直径は8mmで全長は25mmということです。
全長が25mmなので、それ以上の長さのビスが必要になります。
元箱に記載されている「使用上の注意③」に、ビスが短いと取付けが不完全になると記載されています。
プラグの先端までねじ込める長さのビスが必要です。
- 使用するビスのサイズ
- 木ネジサイズ3.8~4.1mmと記載あり(直径サイズ)
- ネジ直径のサイズ ➜ 4.0mm
- ネジの全長 ➜ 32mm
4.0mm×32mmのビスを使用することにしました。
T足を取付けて、必ずプラスドライバーで手締めします。
電動ドリルを使うと締めすぎて穴が壊れてしまうことがあるので、手加減しながら手締めします。
ビスがカールプラグに食いついて、締まっていく感触があります。
これでグラつくことなく、T足をしっかり壁に固定する事が出来ます。
カールプラグをモルタル壁で使っても成功しました。
例えば、このように重量がある水道配管を外壁に固定したい場合に、カールプラグを使ってT足を固定すれば問題ありません。
今回は軽量で安価なカールプラグを使用しましたが、樹脂製プラスチックの商品も多く売られています。
1-4.プラグを入れてビス止めする【樹脂製プラグ】
樹脂製プラグって、エビとか魚といった名前のものがあるんですよね。
樹脂製のプラスチックは、屋外で使用する場合に錆びないメリットがあります。
①フィッシャープラグで給湯器を取り付ける
水道配管以外で使った例としては、ガス給湯器をモルタル壁に設置する際に樹脂製のプラグで固定しました。
画像では上部のみビス止めしているようにみえますが、本体の上部+下部の計5本を固定しています。
\【関連記事】壁掛け給湯器の本体設置編 / こちらも参考にしてみてください。
給湯器の本体重量は10Kgを超えますから、落下したら大変なのでしっかり支える必要があります。
壁掛け設置をする場合、プラグはM6×30(あと施工アンカー)を使って木ネジを固定します。
再度の説明になりますが、木ネジの長さは30mmよりも短いと施工不備になりやすいため、30mmより長いものを使います。
プラグと木ネジの組み合わせも大事だということです。
②ニュートンの引張強度の計算
ビスのサイズ表を見ると、「N」や「kgf」の単位が記載されています。
引張強度を表す単位で、どちらかというと「N=ニュートン」が主流で表記されているようです。
- 引張強度(KN:㌔ニュートン=1kgf =9.80665 N)
- 1ニュートンは、1キログラムの質量をもつ物体に1メートル毎秒毎秒 (m/s2) の加速度を生じさせる力
1.0kn≒102kg (1N=0.102kgf )
給湯器を壁掛けする場合、次のようにプラグを下穴に入れてビス止めします。
10Kg以上の給湯器本体を支えられるのかを知るには、引張耐力を計算して確認します。
- M6×30のプラグとΦ4.8×38mmねじの許容引張耐力0.34KN/本
- 計算式1:【 1 】Kn× 102Kg =【 引張強度 Kg 】
- 計算式2:【 1 】n× 102g =【 引張強度 g 】
【 0.34 】Kn ×102Kg=【 34.68Kg 】 の計算で、1本で耐えられる引張強度が分かります。
給湯器を購入したときに下記の付属品が入っています。
アンカーとして樹脂製プラグが使われています。
この給湯器には、樹脂部分にヒレがあるフィッシャープラグが付属されていました。
引っ掛かりがあると摩擦ができるので、強度を発揮できます。
多用途に使えます
『 フィッシャープラグ 』を見るまとめ モルタル壁にビスが打てない場合プラグで固定する
外壁やコンクリートに何かを固定したいときは、『アンカー』を使えば固定できます。
ノンプラビスはモルタルの壁には不向きなので、鉛の『カールプラグ』かプラスチックの『樹脂製プラグ』を挿入すればしっかりネジが締まります。
このようなネジ締め作業では、電動ドリルの『低速回転』か『手締め』をします。
モルタルの外壁には、プラグを挿入してネジ締めがおすすめです。
壁掛け用のフックや金具などを外壁に取り付けたり固定したい場合、ノンプラビスやプラグといったアンカーを使ってビス止めが可能です。
これが出来れば、屋外のDIYの楽しみが増えますね。
是非、試してみてください。
というわけで、今回は以上です。
これからもブログとTwitter で、DIY&リフォームを発信していきます。では 。
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