昔は、コンクリート桝が標準施工だった。
コンクリートは、経年劣化や地震などの影響でひび割れが発生する。
またその割れ部分から、木の根などが根詰まりして排水が出来なくなったりする。
家庭用の排水桝は、今は塩ビ桝が一般的に普及している。
古い家の排水は限界に!?悪臭と排水漏れが発覚した。排水桝工事の見積りをする。
記事のもくじ
排水漏れが現実となってしまった!原因検証をしてみる。
私の嫌な予感は、的中していた。
洗濯排水が共用の排水溝に流れ出ていた。
白く濁った水の正体は、柔軟剤の色だった。
更に、嫌な予感が私の中で襲い掛かってくる。
これって、洗濯用排水だけじゃないよね。。。
まさか!? 台所排水も、風呂排水も・・・なの?
水道も給湯器も使えるようになった喜びは束の間。
次に、排水の問題が発生するとは考えたくなかった。
でも、勝手口にある排水桝から、この数日間強い臭いがし始めていた。。。
目を背けていられないくらいに、現実的な問題となっていた。
1-1. 水漏れの原因場所を検証をしてみる
台所の水をジャバジャバと勢いよく流してみる。
しばらく流し続けてみた。
浴槽にお湯を溜め、色付けのために入浴剤を入れる。
浴槽の栓を抜いてみる。
入浴剤の黄色に染まったお湯が、排水から勢いよく流れ出ていった。
急いで外へ出てみる。
ああっー、やっぱり!!!
間違いなく排水漏れしていることが判明した。
屋外の排水溝の隙間から、黄色の水が流れ出てきていた。
トイレは普通に使用していたけど、排水溝からの漏れは無かった。
漏れがあれば、悪臭で気が付かないはずがない。
っていうことは、トイレは漏れていないってこと!?
なんだか・・・よくわからない。
その日はショックで、あまり考えられなかった。
排水の問題は、私はどうしていいやら想像もつかないことだったから。。。
この家の排水経路はどうなっているんだろう?
1-2. 役所にも排水経路の設計図がない!?
図面があれば排水経路がすぐに分かるはずだけど、この家にはそんなものない・・・
水道配管図は、以前水道課で手に入れていた。

水道料金は、上水と下水に分かれていてそれぞれ支払っている。
だったら、ここの自治体が下水の管理もしているっていうこと?
役所に聞いてみよう、何か分かるかもしれない!
水道課担当者の話
水道課に排水漏れの件を連絡すると、自宅まで担当者が来ることになった。

こんにちは~。
水道課担当者

どうも、わざわざすみません。
私、最近この家に住み始めて・・・排水が漏れているみたいなんです。
そう言って、排水漏れの説明をした。

ココなんです!この隙間から漏れています。

実はですね・・・
この団地では老朽化が深刻で、排水漏れが他にも発生しているんですよ。
水道課担当者
そう言って、丁寧に話してくれた。
担当者の話では・・・
設計図が無く、各家の排水経路がどうなっているか、公共の下水道までの経路さえも不明。
そんなことがあるの???
それで、自治体としては何も手が出せないので、各自責任で業者に頼んでやってください!ってことだった。
この団地では、公私境界なんて無いってことなの!?

まぁ、そういうことなら、業者に連絡するしかないのかぁ・・・
ちなみに・・・

こういう排水の工事って、どれくらい費用がかかるもんですか???

そこそこで差はありますけど・・・50万円くらいはかかると思いますよ。
水道課担当者

ええっ!!?そんなに・・・ですか?
いやいや、そんなの無理に決まってんじゃん! と一人突っ込む。
思いもよらない金額を聞いた私。
この家にかけられるお金、もう無いよ。。。
その後は、担当者と気の抜けた会話をしていたと思う。
取り敢えず、指定した下水道業者に連絡して工事してください ということで
帰り際に・・・

あの・・・お願いがあるのですが。
工事が終わったら、モニターになってもらえませんか?
水道課担当者

はい???
何ですか?それ。

私共も、この団地の状況を把握していかなければならないので、情報を集めているんです。
水道課担当者

なるほど、そういうことか・・・。
私の頭の中は50万円という金額がぐるぐる巻きで、モニターの件は上の空だった。
どうしよう・・・
下水漏れのまま、この家に住むなんて出来ないし。
これは本当に想定外だ!
排水工事、指定水道業者に見積りを依頼する
水道課の担当者が帰ると、親に電話で相談してみた。

大変なことになってしまったよ。

どうしたの?
またまたいつも大袈裟だな、と言った感じで笑っていた父。
排水漏れとそれに掛かる工事費用が高額になるかもしれないと話すと・・・

想像しても仕方ないから。
まぁ取り敢えず、業者に見積りしてもらいなさい。

大変ねぇ。。。
母は相変わらず、自分の家のことなのに他人事。
確かに、心配したって仕方ない。
業者に連絡して、見積りをしてもらおう!
役所のホームページに指定業者一覧が掲載してあった。
その中には以前、水道工事を依頼した業者の会社名が載っていた。

家からも近いし、仕事も綺麗で良い印象だった。
その業者にまた、見積りをお願いしてみることにした。
2-1. 指定業者の自宅訪問
水道業者に見積りを依頼する。
夕方、仕事が終わり次第連絡します、とのこと。
約束の時間になると、若くて恰幅の良いお兄さんがやってきた。
簡単に挨拶して、現状を説明すると・・・

こんばんは、どうも。
見た目同様 声も大きくて・・・(圧倒される私)
慌てて、勝手口に案内してドアを閉めた。
見た目とは違って、笑い顔はキュート。
説明しながら水を流したりして、漏れの確認をしてくれた。

こう言ったらなんですけど、これ全部やり直すとなると高額になりますよ。
高額というワードにビビる私。

あの・・・高額って、どれくらいですか?

いやぁ、自分は従業員なんで見積りしないと、何とも言えないですけど。
まぁ、それはそうだろうな。。。
すると、そのお兄さんの携帯からガチャガチャ(知らない音楽)鳴り響く。
すっごい音。。。
何やら話していると・・・
もう1台の車が、家の前に停まった。

どうも、〇〇水道です。
その会社の社長さんが、わざわざ見に来てくれたようで。
こちらは落ち着いた感じの社長さん。
素人の私にもわかるように、丁寧に説明してくれた。

水の流れが悪くなっていますね。
多分、地盤が下がってしまって勾配が無くなっていると思うんですよ。

はぁぁぁ、本当ですね。
溜まっていますね。だから匂いがあったんですね。

失礼ですけどお宅の場合築年数も古くなっていますし、全部やり替えるというよりは、桝だけとりあえず交換して様子みたほうがいいと思います。

そうですかぁ。私には見当もつきませんけど、取り敢えず匂いと排水漏れが無くなってくれればいいんですけど。。。
さっきのお兄さんが言ってたように、犬走りを斫って排水全体をやり替える工事だと、かなりの費用が掛かるらしい。
比較的新しい家ならやり替えの意味があるけど、古い家だしそこまでする必要はないんじゃないかってこと。
私もそう思っていたし、我慢できる範囲でお願いしたいと思った。
パイプの部分(塩ビ管)は恐らく劣化したり割れてはいないだろうから、問題のコンクリート桝の部分だけ交換してみては、と提案してくれた。
勾配不足がやや心配な点ではあるけれど、塩ビ桝を設置するときに調整してみるらしい。
無理な押し付けするわけでもなく、的確な提案をしてくれたので、安心感があった。
もう、辺りはすっかり暗くなって・・・

では、近いうちに見積りを持ってきますので。

今日は、遅くまでありがとうございました。
では、見積りの件よろしくお願いします。
そう言って、帰っていった。
車が行ってしまうまで見送った後、辺りがやけにシーンとなった気がした。
肉体労働の男子は迫力あるなぁ~と感心する。(笑)
- 経年劣化のためコンクリート桝が割れて、排水漏れが発生。
- 地盤が沈下してくると、排水管の勾配が無くなってきて流れが悪くなる。
- 排水パイプ管は塩ビ管が使用されていて、恐らく割れは無い。
- コンクリート桝を塩ビ桝に部分交換をして、様子を見てみる。
2-2. 自分で、排水漏れの応急措置をしてみる!
我が家の排水桝の欠陥は、コンクリート製であること。
初めてこの桝蓋を開けたとき、驚いた。
こんなので、大丈夫なの!?
現代の排水桝は、塩ビ製のものが主流になっている。
コンクリート製の排水桝は、その時代を感じさせる。
水道課担当者が来てくれた時も、この辺の団地はほとんどがコンクリート製の排水桝であると言っていた。
それが、ウン十年の年月を経て、コンクリートが劣化しているらしい。
我が家の排水桝の中を覗くと・・・ あっ!?
コンクリートの一部に穴が開いていた。
なるほど、これが原因か。。。
台所の排水桝だけじゃなくて、洗面脱衣所の排水桝にも同じような穴を見つけた。
じゃあ、この穴を埋めればなんとかなるんじゃないの???
そう思った私は、早速インスタントセメントで穴を埋めることにした。
インスタントセメントは適量の水を加えるだけで、すぐにコンクリートに変化する優れもの。
穴埋め完了! 乾くまで少し様子を見ることにした。
それでも・・・
やっぱり、ダメかぁ・・・
相変わらず、排水はダダ漏れだった。
応急措置にもならない様子。。。
後に、重大欠陥が発覚する。
2-3. 汚水桝・設置工事の見積り額
見積り、1週間が経とうとしているのに・・・連絡がない。
業者さんの都合もあるかと、しばらく待っていたけど。。。
臭いがきつくて、ギリギリ我慢したけど限界だった。
電話して問い合わせることにした。

担当の者に伝えておきます。
という、お決まりの回答。

このままじゃ、いつになることか・・・
金額の心配もあったので、心の準備が整わない。
結局、見積りが出来たのは10日以上も経ったころ。
汚水桝 設置工事(見積り)
すぐに工事の総額に目をやる。
15万!?
全く想像もつかない金額だったので、高いのか安いのかわからないまま・・・
でも、内心 ホッ としていた。( 金額に麻痺しているのかな・・・ )
それは、全部やり替えると50万円以上は掛かると水道課の担当者が言っていたから。
50万がネックだったからかもしれない。

この家にお金かけられるのは、もうこの排水工事が最後だ!
そう、自分に言い聞かせる。
見積りは複数取っておいた方がいいとはわかっている。
でも、急を要していた。
悪臭が家の中までまん延して、ストレス状態が悪化。
結局、複数の見積りは取らずのまま、この業者に工事をお願いすることにした。
大きな工事は、事前の準備と計画が必要だと思う。
2-4. 工事期間中は騒音が酷い
工事では、コンクリートの犬走りを斫ることになる。
コンクリートをハンマードリルで ドドドッーツ ってやるのは、かなりの騒音が発生する。
家の中にいたら、やかましくて居ても立っても居られない。
業者の社長さんが屋外の工事なので、‘‘ 立ち会いは無くてもいいですよ ‘‘ と言ってくれた。
排水も出来ないことだし、遠慮なく実家に帰ることにした。
近所への配慮 -挨拶まわり-
一応、ご近所にも迷惑を掛けることになるので お菓子を持って挨拶まわりしておいた。
私、こういうのはかなり苦手で・・・
引っ越しの時に挨拶まわりしたばかりなので、なんだか面目なくて。
‘‘ お互い様だから気にしなくていいですよ。‘‘
‘‘ せっかくだから、遠慮なくいただきますね。‘‘
まぁなんとか、無事に挨拶まわりをすませた。
工事って近所に騒音の迷惑が掛かってしまうから、気を遣う。
特に、新参者はきちんと挨拶しておかねば。
それから工事が終わるまで、しばらく実家に戻ることになった。
いよいよ、排水桝の工事が始まる。
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DIYに限界を感じたら、業者見積もりしてみる
自分でDIYしてみて、限界を感じることだってある。
素人なりの知識や技術では、足りないことがあるから。
そんな時は、リフォーム業者に任せることだって賢い選択になる。
