3年目の墓参り
ばあちゃんが亡くなって、3年が経った。
今年もまた、両親と共にばあちゃんが眠っている寺へ向かった。
長くて高い石の階段を上った先に寺はある。
一段一段、ゆっくり上っていく・・・、わたしの親。(๑*д*๑)ハァハァ

ここにはいつまで来れるのだろう・・・
こっち(親)も着実に年を取っている。
1-1.墓じまいのこと
ばあちゃんは、60歳の時に自分で納骨堂を購入していた。
当時のお寺の住職さんと話をして、永代供養してもらうようにしていたらしい。
永代供養(えいたいくよう)
数世代にわたる比較的長期の年月をかけて、死者を供養する行為を指す。
寺院が永代にわたり供養する事をいう。-wikipediaより引用-
だから、いつも決まって

私が死んでも、何もしなくていいから
ばあちゃんは、そう言っていた。
ところが、その住職さんが亡くなり・・・
跡継ぎの住職さんになると、永代供養の契約はないと話が食い違ってしまった。
納骨堂を購入した時の領収証しかないから、今更亡くなった住職さんに聞くわけにはいかないし。
ばあちゃんの墓には、誰も一緒に入ることはない。
だから、いつかは墓じまいしなければならないときがくる。

私が死んでも、誰にも迷惑は掛けないからね。
そんな風に思っていたのはなぜだろう?
人は迷惑かけずには生きてはいけない。
「ごめんね」とか「ありがとう」と、素直に言えば楽だったろうに。
いつも気を張って生きてきたばあちゃんは、誰にも甘えることが出来なかった。
その点、私の母は甘えっぱなしなので、墓の心配なんて全くしない。
私も、死んだ後のことなんか考えたりしたくない。
歳を重ねると、そうなるものなんだろうか?
1-2.家のリフォームを報告
寺にいる滞在時間は数分程度。
手を合わせながら、ばあちゃんの存在をはっきりと思い出す。
ばあちゃんが癌(がん)になる前、そしてまだ長生きできると信じていた頃・・・
ばあちゃんは遠慮なんかしないで、こう言った。

私が死んだら、この家は 〇〇(母)にあげる・・・。
そう言ったら、家のことなんか興味のない母は、

私、家なんか欲しくないよ。
そういう無神経なところは 親譲りか!?と思うけど。。。
ムッとした顔をして、ばあちゃんは

あんたが要らんなら、この家は〇〇(私の兄)にあげる。
そう、私の目の前で言った。(-_-#) ムムッ
昔から、ばあちゃんは兄のことが好きだった。
私とは違って嫌なことを言わないし、理想的な孫だったのかもしれない。
そして兄は、(母と同じく)家なんて興味がないようで、今も関与しない。(将来はどうだろう・・・?)
あの時、わたしはグッと感情を抑えていた。
ばあちゃんがそういうことを無神経に言うところが、すごく嫌だった。(。>д<。) イツモノコトダケド
ただ、今はこう思う。。。
家は古くなって、あちこち傷んでしまっていた。
だから、この家を私が住むなんて、とても無理だと思ったんだろうな。
お金ばかりかかる家の修繕費・維持費のことを考えたら、私には負担になるって感じていたんだろう。
嫁に行くかも、とか希望もあったのかもしれない・・・( -_・)?
リフォームするのは業者だと思っているばあちゃんにとって、
まさか孫娘が自分でリフォームするなんて、夢にも思っていなかったんだと思う。(*゚ー゚*)
だから、いつも墓参りで手を合わせたときには家のリフォームのことを報告している。

ばあちゃん、もうすぐ駐車場ができるよ。
それに、あの家は 母でも兄でもなく、わたしが住むんだからんだからね!
近所の空き家が現在進行中
ばあちゃんの墓があるお寺は、車で10分くらいの場所にある。
墓参りが終わって、家に立ち寄った。
2-1.屋根瓦の情報
ちょうど、ばあちゃんと仲良くしてもらっていたお隣のおばあさんがいた。
わざわざ杖をついてこっちに近寄ってきた。

もう、ここに住んでいるの?

いいえ、まだなんです。

お宅の家は、屋根瓦だけは立派なものにやり替えていたから安心しなさい。
何気に、「瓦だけ」って。。。(笑)

そうなんですか? いつ頃替えたか、わかりますか?

最近よ。まだ新しいはずよ。
その瓦がこれ。
まぁ、普通の瓦だと思うけど。
最近って言っても、いつだろう (ο´・д・)?? 5年 or 10年くらい前?
突然、屋根の話をするものだから 記憶に新しいってことなんだろう。。。
そう解釈しておくことにした。

わたしは今、老人ホームにいるのよ。

えっ、そうだったんですか!? 知らなかったです。
そういえば、近頃やけに物静かだなぁーと感じていた。
でも、寒いし高齢だから家の中で過ごしているのかと思っていた。
2-2.団地の空き家が進行中
この前あった家が、もう取り壊されてなくなっていた。
家を建て直す若い世代もいる。
一方で、この団地はどんどん空き家が加速している。
長いこと空き家物件の看板と共に、朽(く)ちてしまっている家がたくさんある。
そこに住んでいた人が住めなくなった家は、一度死んでしまう。
そのうち住めるなんて思ったら大間違いだから。
家は、誰も住まずにそのままにしておいたら、本当に住めなくなる。
そうこうして、古くなって住めなくなった家を売ろうと思っても、
古い家なんて安値じゃないと買ってくれないし。。。…(*´д`)ザンネンデスガ
はっきり言って、タダでも買ってくれないかもしれない。
結局、固定資産税だけが残って、いつまでも無駄な支払いを続けなければならなくなる。
悪循環なシナリオが出来てしまっている。
隣のおばあさんは、既に90歳を超えていて杖を使ってでも自分の脚で歩いている。
家のことが心配で、家族に連れられて時々戻っているらしい。
だけど、もう誰もここに戻って住むことはないと言っていた。(´^`;)ソウナンダ…
簡単には割り切れないだろうけど・・・
売るなら今生きているうちだと、私は思う。
当然、おばあさんには言えなかったけど。。。
(余計なお世話だよね・・・)
おばあさんは家族に連れられて、老人ホームに帰って行った。