リフォームで電気配線が必要になり、独学で電気工事士の試験に一発合格した木葉らんです。
日々の生活に欠かせない電気ですが、近年は電気工事士の必要性が高まっており、資格を取得する人が増えています。
電気工事士の受験者数は、今後も増加傾向にあると思われます。
また、これまでにない変化として、2023年度電気工事士の試験でCBT試験が導入されることになりました。
CBT試験は、コンピューター試験のことです。
従来通りの筆記試験とCBT試験のどちらか選択できます。
CBT試験が導入される資格は、今後も増えていくことが予想されます。
すでに多くの資格が導入済みです。
- CBT試験(Computer-Based Testing)が導入されている資格例
- 日本公認会計士試験、簿記検定、TOEIC、宅地建物取引士試験、など
CBT試験って何???
という人のために、これからCBT試験の概要を説明していきます。
電気工事士の試験でCBT試験が導入されることで、どのような利点と欠点があるのかについても、知っておくことが必要ですよね。
最初に1つ注意しておくことがあります。技能試験はCBT試験はできません。
電気工事士試験は、筆記試験の合格後に技能試験がありますが、技能試験はこれまで通りの方法で行われます。
技能試験なので……
工具を使って行う試験なので、パソコンでは無理ですよね。
それでは、国の試験実施機関である『電気技術者試験センター』の発表内容をもとに、解説していきます。
CBT試験の概要
電気工事士の筆記試験は、マークシート方式で行われています。
問題用紙と解答用紙が配布され、4択問題の中から正解を1つ鉛筆で塗りつぶします。
この筆記試験が、パソコンでも実施されることになりました。
CBT試験と言います。
まずは、CBT試験を運営してる会社の説明を少しかじっておきます。
電気技術者試験センターとは別の会社が運営しています。
日本にある47都道府県の全てで、かつ国内300ヶ所以上のテストセンターを展開しているCBTソリューションズ。
- CBTソリューションズとは
- 株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズが運営しているCBTサービスです。
全国のCBTテストセンターのパソコンで、資格試験を実施しています。
受験者専用サイト
今までの筆記試験会場と比べて、CBT試験は次のように変わります。
1.遠方の試験会場で負担が軽減|試験会場が増える
電気工事士の試験会場は、全国で行われています。
ただし試験会場まで遠くて、電車で何時間もかけて受験している人が多くいます。
都会寄りに住んでいる人は便利な立地で気軽に受験できますが、田舎寄りに住んでいる人は往復の交通費負担や時間の制限があります。
この点において不平等と言いたいわけではないのですが、今回導入されるCBT試験で負担軽減になる人も増えるはずです。
- 全国に試験会場が増える
- 駅前などの便利な立地で、受験しやすい
- 大学などの広い受験会場で、迷うことが減る
慣れない試験会場に行く場合、事前に下見をする人もいるかもしれません。
大学が試験会場になっている場合は、敷地内が広すぎて迷うので遅刻してくる人もいます。
CBTテストセンターは、47都道府県すべての県に国内最大300ヶ所以上を配置しています。
注意:電気技術者試験センターによると、電気工事士試験の試験会場は約200ヶ所以上の予定となっています。
試験会場は、全国に約200箇所以上を予定しており、その中から選択可能となります。
パソコン教室や駅前のビル内にあることが多いので、比較的駅周辺で交通の便が良いのが特徴です。
実際の場所は、こちらで確認できます。
47都道府県
試験会場の選択の幅が広がったという点では、受験するハードルが下がったと言えます。
人が多いのが苦手な人も、これなら比較的少人数で受験できます。
2.急なキャンセルでも変更可能|振替受験ができる
電気工事士の受験申し込みでCBT試験を希望していた場合は、期間内での変更が可能になります。
受験者マイページにログインして変更します。
CBT方式での開催期間(3週程度を予定)内で、曜日・時間を選択して受験可能となります。試験日の3日前まで変更可能です。
CBT会場申込で選択した試験会場・試験日時は、試験日の3日前までに限り変更が可能です。
【注意】ただし、変更先が選択可能な場合に限りますので、試験会場の状況によっては、希望の会場・日時を選択できない場合があります。
この辺の変更が出来ないかもしれないという但し書きの部分は、注意が必要ですね。
受験者の利便性を図るためのシステムなので、基本的に試験会場または試験日の変更は3日前まで可能ということです。
2023年度の試験実施日程(CBT試験と筆記試験)は、以下の通りです。
CBT方式の開催期間は3週間程度となっており、通常の筆記試験より前に行われます。
開催期間が3週間もあるので、予定に合わせて選べる日が格段に増えます。
申込をすると、受験手数料9,300円(インターネット申し込みの場合)を支払います。
急な用事で行けなくなった人は、期限内であれば受験申込取消をすることができます。
受験手数料は、「受験申込取消」の期限を過ぎると返還できません。
下記は2022年第二種電気工事士/上期試験の例ですが、受験申込取消期限が過ぎてしまったら、悲しいことに9,300円は捨てたも同然です。
- 2023年(令和4年)第二種電気工事士/上期試験の場合
- 受験申込期限 3月20日(月)~4月6日(木)
受験申込取消期限 4月18日(火)必着
筆記試験日 5月28日(日)
- 2023年(令和4年)第二種電気工事士/下期試験の場合
- 受験申込期限 8月21日(月)~9月7日(木)
受験申込取消期限 9月19日(火)必着
筆記試験日 10月29日(日)
CBT試験は試験日が増えるので、自分の都合で選べて変更もできるようになります。
支払いをしたのに急に試験日に行けなくなったという人にとっては、とても良い制度ですよね。
また、休日は休めない社会人の人にとっても、気軽に試験を受けられます。
- Q予約した試験を変更・キャンセルできますか?(CBT試験)
- A
受験日や会場の変更は決められた期限内で可能ですが、キャンセルは試験ごとに異なります。
CBT試験の取消をした場合、筆記方式へ変更ができます。
繰り返しますが、受験申込取消期限が過ぎてしまったら、受験手数料は戻ってきません。
この返金の手続きは、電気技術者試験センターにて問い合わせが必要になります。
3.採点が電子化される|受験直後に合否がわかる
試験時間2時間のうち早く終わった場合でも、自分の意思で回答を終了することができます。
試験終了のボタンをクリックすれば、試験終了となります。
CBT試験はすべてパソコンで入力するので、試験終了後に採点が行われます。
つまり、即時に合否の結果がわかります。
その時点で合格だと分かれば、次の技能試験に向けて早くスタートが切れるということです。
後で詳しく説明しますが、単純に合格か不合格かの結果を知るのみで、答え合わせや見直しなどは出来なくなってしまいます。
4.当日は本人確認書類が必要|受験票は持参しない
当日になって、受験票がないと慌ててしまう人もいるかもしれません。
CBT試験の受験者の場合、受験票は事前に発送されません。
CBT試験の場合、受験票は必要ありません
逆に、通常の筆記試験では必ず受験票は必要です。
- 上期筆記試験:受験票の発送予定
- 2023年5 月 12 日(金)に、受験票を発送(投函)
受験当日に必要なものは、本人確認書類(※マスク)となっています。
本人確認書類は以下のように、様々な種類がありますので確認してみてください。
- 一般的な本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
- 国家資格類(危険物取扱者免状・電気工事士免状・宅建など)
- 政府機関発行証明書類(在留カード・障がい者手帳など)
- その他(顔写真つき入館証など)
持参した筆記用具なども、持ち込むことが出来ません。
テストセンターで用意されている、メモ用紙と筆記用具(ボールペン)を使うことができます。
2023年度から電気工事士試験でCBT試験導入
ここからは電気技術者試験センターが公表している内容に合わせて、具体的に見ていきます。
2023年度の電気工事士試験の実施日程です。
学科試験のところを見ると、今までなかったCBT方式(黄色の部分)の日程が書いてあります。
これまで通りの筆記方式の試験日よりも約3週間まえに実施され、18日間の中で自由に選択できます。
繰り返しになりますが、試験会場・試験日時は、試験日の3日前までに限り変更が可能です。
CBT試験をやってみたいと思った人は、どのような対策をすべきかについても知っておくといいです。
はじめての導入なので、予想外なこともあるかもしれません。
電気技術者試験センターが発表している内容は、以下ですべて見ることができます。
電気工事士試験における
1.問題用紙は持ち帰れない|答え合わせが出来ない
CBT試験ではペーパーレスなので、問題用紙や解答用紙の配布はありません。
パソコン画面の中で入力するのですが、電気工事士の筆記試験は4択問題になります。
パソコンで選択する場合は、マウスでワンクリック選択するだけです。
丸の中を綺麗に塗りつぶす時間は不要となり、時間短縮できます。
2.計算やメモ|すべて回収される
CBT試験の筆記試験では、問題用紙がパソコンの画面上になります。
つまり、計算や複線図を書くときの書き込みが直接できない点が、やや不利になるかもしれません。
持ち込みが出来ないので、計算はどうするの?という疑問があると思います。
よくある質問
これに対する回答は、次のようになっています。
A.可能です。
会場(テストセンター)で用意したメモ用紙と筆記用具(ボールペン)を使用いただけます。ただし、試験終了後、メモ用紙は全て回収します。
個人の持ち込みは本人確認書類(身分証明書)とマスクくらいで、他には持ち込みが出来ません。
マウスで直接画面上のメモ書きができる、といった情報もあります。
メモ用紙に計算したり複線図を書くほうが、現実的な気がします。
ただし、試験終了後にすべて回収することになっています。
3.PC画面とマウスに慣れる必要がある|操作性の訓練
参考書などの本で学習している人は、パソコン画面にも慣れていないと戸惑うと思います。
過去問題を解く場合は、パソコンの画面を見ながら説く練習をしておく必要があります。
電気技術者試験センターのサイトには、過去の問題がありますのでここで筆記試験の練習してください。
パソコン画面に慣れよう!
パソコンの操作に慣れていない人は、事前に慣れておくことも大事です。
4.CBT試験の特徴|体験できる
パソコン画面の基本的な操作です。
- 【解答状況】解答した状況が一目でわかります
- 【後で見直す】気になる問題は、黄色の付箋で目印をつけることができます
- 【前の問題】ひとつ前の問題に戻ります
- 【次の問題】次の問題に進みます
- 【試験終了】試験時間が残っていても、終了することができます
事前にCBT体験をすることができるので、はじめての人もぜひ体験してみてください。
どんな試験か体験できます
5.トイレの退席は可能|本人確認書類持参
制限時間のカウントは続きますが、試験途中のトイレ退席は可能です。
その際に、本人確認書類も必ず一緒に持って退席します。
入出時に、再度本人確認が行われるので、忘れないようにしてください。
まとめ CBT試験の概要
CBT試験について、概要を解説してきました。
2023年度からはじまる電気工事士のCBT試験ですが、パソコン画面に慣れていないと戸惑う人も多くいると思います。
問題を解くときに画面を見ながら頭で考える問題や、メモ書きをしながら説く問題、そして計算する問題など、画面とメモ用紙の目配せの癖を鍛える必要がありそうです。
- パソコンの画面やマウスに慣れて問題を解く
- 画面を見ながら計算やメモ書きをする練習
- CBT試験を体験をして操作の確認をしておく
CBT試験では問題用紙の配布がないため、持ち帰って見直すことが出来ない点は注意が必要です。
一方で、試験開始のタイミングは周囲の人とは別なので、自分のペースで問題を解くことができます。
緊張感によってモチベーションを上げられる人、退席する人や問題用紙をめくる音などの雰囲気に集中できない人、人それぞれなので自分の適性に合わせて選択してください。
通常の筆記試験日で日程が合わないかもしれないという人は、積極的にパソコン上での訓練を取り組んでおいてください。
焦らずに練習すれば、慣れてくるはずです。
最後にもう一度、試験日程の確認です。
申込みをした時点で、筆記試験(筆記方式)の試験地を選択しています。
47都道府県
その後、CBT試験を希望する人は変更をしてください。
- 筆記方式を選択している人がCBT方式へ変更できる期間
- 4月12日(水)10:00 ~ 4月18日(火) 23:59まで
➜ マイページ【CBT方式への変更】のボタンから申請します。
- CBT方式を選択している人が筆記方式へ変更できる期間
- CBT会場申込の取り消し・変更は、会場申込期間中であれば、筆記方式での受験に変更が可能です。
➜ マイページから【CBT会場申込の取消し】を行い、筆記方式に切り替えることができます。
➜ CBT試験会場・試験日時の変更は、試験日の3日前まで変更が可能です。
受験できる日程が増えたからといって、何度も受験できるわけではありません。
年に1度の試験なので、しっかり学習して準備することが一番大事です。
新しい情報にも注目して、最善を尽くして頑張ってくださいね。