前回のおさらい

うさぎ弁護士からの助言をもとに、契約関係が請負契約ではないことを中心にまとめて書いた回答書。
代理人弁護士に回答書を郵送してから約1週間後、1通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは・・・
この記事のポイント
素人相手に引き伸ばしをする効果は?示談に応じる作戦か?

1-1. 期日までに手紙は来なくても、無視できない理由
しかし、その期日が過ぎても、手紙は届かなかった。
その後1週間待ったけれど、手紙は来ない。
快(こころよ)い手紙ではないので、緊張しながら待ち続けることはストレスだった。
突然目標がなくなってしまって、あてもなく時間を過ごしているような。
何も縮まらない感じ。。。
このまま待っていても、埒(らち)が明かない。
素人の私は、当時こんなことを考えていた。
- このままフェードアウトするつもりなのだろうか?
- 民事訴訟の準備をしているのかもしれない。
だけど今思えば、実際はそれとは違っていたと思う。
私が受け身になって手紙を待ち続けていたのは、それなりに理由があった。
1-2. 引き伸ばしは作戦なのか?その意図が見えた!
私が書いた回答書の中には、2つのポイントがあった。
- 契約関係が請負契約ではないこと。
- 私が預かっているすべての物を返却する為、引き取りの期日を決めること。
私としては、引取りの期日を決めて欲しかった。
本来なら、嫌がせでも何であっても、
今回の場合、契約解除されたことで新たに発生していた法的効力があった。
仕事をする上で預かっていた、黒猫さんの物を全て返却しなければならなかった。
① 寄託とは
寄託(きたく):民法657条 当事者の一方(受寄者)が、相手方(寄託者)のために物を保管することを約し、それを受け取ることによって成立する契約。 Wikipediaより引用
私と黒猫さんとの交わした契約書の中で、契約終了後に預かった物(備品等)はすべて返却する旨を記載している。
つまり、寄託契約を交わしていたということ。

受寄者(じゅきしゃ)
物の保管を引き受けた者

寄託者(きたくしゃ)
物の保管を依頼する者
しかも、寄託が終了するまで寄託物の保管場所で保管義務を負う。
② 催促の手紙を送る
強行した場合は業務妨害罪で告訴します。

どうして、黒猫さんのものを返すのに、直接渡すのは駄目なんですかね?

これはお決まりの文句だから、あまり気にしなくていいよ。

そうなんですか。。。わかりました。

ただ、黒猫さんの物を返すのに、直接返したって何の罪にもならないけどね。
相手が嫌がっているなら、しない方がいいだろうね。
しかし、相手が手の内を見せずに引き伸ばしをするのには、きっと何か理由があると思った。
何をしようと企んでいるのか?

③ 引き伸ばし作戦の正体
もう限界!これ以上、待てない。
経験のない私は、こんな不毛な時間をいつまで過ごすことになるのかと不安になった。
先が見えないと、こんな風に素人は焦りが出てくる。
不安になると、焦りが出る…
先行きがわからないと恐怖になって、逃げだしたり辞めたくなる。
だから多くの場合、
最初から、これを待っていたのではないだろうか?と今の私は思う。
弁護士は依頼人のために仕事をする。
依頼人の生活を快適にするためのアシストをする、サービス業である。
そして、ビジネスとして効率よくお金儲けをするのが得意だ。
引き伸ばし作戦の意図が分かったのは、何もかも終わって冷静になった時だった。
遂に、私は代理人弁護人と直接話をするため、電話することにした。
相手の戦略(=引き伸ばし戦略)を読めなければ、感情に負けて失敗することになる。
寄託契約をすると、受寄者は原則として寄託物の保管場所で保管する義務を負う。
法的義務が発生していることを理由に、無視できない相手に引き伸ばし戦略を実行していたのではないか。