民事裁判はすぐには終われない!?示談が嫌なら長期戦になる
前回のおさらい

無料弁護士相談の30分という時間は、私にとって朝の歯磨きくらいで・・・
相談というより、今回発生した事のあらすじを聞いてもらうことで精一杯だった。
そして、あっという間に時間は過ぎた。

この依頼内容は、正直引き受けたくない案件だねぇ~。

そっ、そうなんですか。。。
無料弁護士相談では、仕事を獲得しようと営業するもんじゃないの?
うさぎ弁護士には、そういう集客の下心が無かった。
そして、私が抱えている問題は、面倒な部類であることを教えてくれた。
うさぎ弁護士は別に嫌味な人でなく、正直な人だと思った。
だから、もし民事裁判に発展した場合、長引く可能性もあると教えてくれた。

短くても、終結するまでに4~5ヶ月くらいは掛かるよ。
逆に、1年でも2年でも長引くこともあるよ。
裁判所の公表資料の中に、『裁判の迅速化に係る検証に関する報告書』という資料がある。
民事第一審訴訟事件等の概況の平均審理期間と事件数について、をまとめたデータがある。
うさぎ弁護士が言っているように、民事裁判は長期化することを想定している。
民事裁判になったら、数か月間は争うことになる。
その理由は、
- 民事裁判の手続きには決められた期間や手順があるので、すぐに終わりにくい。
- お互いの言い分が食い違うと長期化する

もし、民事裁判をしたくないんだったら、
示談という方法があるよ。
その場合は、話し合ってお金を払うってことになるけどね。
① 争いをやめて話し合うこと。
② 民事上の紛争に関し、裁判によらずに当事者間に成立した和解契約。 weblio辞書より

そうですか。
でも、このままお金を払うのは、なんだか納得いかないんです。
理由もよくわからないですし。

それじゃあ、あなたの気持ちを伝えたらどう?

でも、内容証明には黒猫さんと接触するな・・・
とか、いろいろ書いていますけど。

いやいや、この弁護士宛に送ればいいんだよ。
黒猫さんの代理人なんだから。
自分以外の利益のために、何らかの行為を代わって行う人のこと。または、自分以外の利益のためと称して行う人のこと。代行者、代弁者とも。 wikipediaより

なるほど、そうですね。

あなたが今日まとめてきた資料でもいいし、なぜこんなことするのか分からないといった、素直な気持ちを伝えてみたらいいよ。
うさぎ弁護士が時計を見たので、わたしも慌てて時計を見る。
・・・あぁ、もう時間だ。

わかりました、そうしてみます。
本日は、大変お世話になりました。

はい、どうも。
それから・・・

民事裁判はあなたにも出来るんだよ。
今は、弁護士に頼まず自分で裁判する人もいるよ。
考えてみたら?

そうなんですか?
わかりました。
ありがとうございます。
わずか30分という間に、私の相談内容の資料を熟読して理解し、
このチンプンカンプンの私に対して最適なアドバイスをする能力。
うさぎ弁護士の素晴らしい能力と気さくな人柄に感心して帰った私。

弁護士って、頭キレッキレだなぁ。(改めて感心する)
黒猫さんの弁護士だって、誠心誠意伝えれば、わかってもらえることがあるかもしれない!
何か誤解しているのかもしれないし。
そして私は黒猫さんの弁護士に、内容証明の文書に対する回答書を作成することにした。
ただ、この時の「弁護士だからわかってもらえるかもしれない」という、私の甘い考えは全く違っていた。
救世主の正体!?たった30分で、心に響く弁護士に出会えた!
午前中、自宅の留守番電話のランプが点滅していた。
用件が1件入っていて、再生して聞いてみる。

昨日、弁護士相談を受けたうさぎ弁護士です。
wata-siroさんに言っておきたいことがありますので、この伝言を聞いたら連絡ください。

えぇぇ!?
昨日のうさぎ弁護士からの電話だった。
録音された時間をみたら午前8時過ぎで、何かあったのかと驚いた。

なんだろう???
言いたいことって。。。
そういえば、昨日名刺もらったんだ。
うさぎ弁護士事務所の電話番号に掛けてみる。

もしもし、wata-siroと申します。
うさぎ弁護士先生お願いします。

申し訳ございません。
今、先生は裁判中でして、お伝えしておきます。
昼過ぎ、うさぎ弁護士から電話がかかってきた。

昨日ちょっと考えてみたんだけどね・・・
「あれ~これ~あれ~これ。」
このことがあなたにとって一番大事な争点だと思うんだよね。
だから、このことを手紙に書いて訴えたらいいと思うよ。

先生、お忙しいのに・・・
わざわざ本当にありがとうございます。

はいはい、じゃあ頑張ってね。
さらっとした感じのうさぎ弁護士、枯れ切った私の心にはものすごく響いていた。
うさぎ弁護士にとっては何の得にもならないのに、なんでここまでしてくれるんだろう。。。
してやったりの恩を着せる感じは、イチミリも無い。
私が考えるちっぽけな次元じゃないんだろうな。
人としての使命感とか???
仕事柄そういう性分(しょうぶん)なのかもしれないけど、それでも・・・
私にとって救世主となった。