契約を解除されたら原状回復義務が発生する!弁護士が指摘した大事な争点とは!?

民事訴訟

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無料弁護士相談は終わったのというのに・・・

相談の翌日。

わざわざ電話をかけてきて、アドバイスしてくれたうさぎ弁護士。

弁護士ならではの的確な目線に、私自身も「そういうことだったのか!?」と目から鱗が落ちる。

うさぎ弁護士が指摘してくれた、大事な争点とは、一体!?

 




代理人弁護士が宣戦布告してきた本当の意図を理解する

うさぎ弁護士からのアドバイスを受け、代理人弁護士宛に送る回答書を作成していた。

霧が晴れたようにスッキリとした私は、黙々と黒猫さんとの契約関係について文書にまとめていた。

 

自分が正直に思ったことを書面にして、代理人弁護士に送ればいい。

うさぎ弁護士からの電話があるまでは、そう思っていた。

だけどそれだけでは、代理人弁護士相手に通用するわけが無かった。

 

相手はそれなりの根拠戦略があって、宣戦布告してきている

 

その時は感情論でなんとかわかってくれるんじゃないか?なんて甘い考えがあった私。

分かってくれるどころか、きっと冷静に私の出方を様子見(ようすみ)していたはずだ。

 

1-1. 契約の解除と原状回復との関係

 

完成した回答書を、何度も読み返す。

 

wata-siro
wata-siro

「う~~~ん。まだ何か足りない気もするけど・・・」

「まいっか。よし、これで送ろう!」

 

A4サイズのコピー用紙に10枚、まだ書き足りない気持ちを抑えて、これでもなんとか10枚にまとめた。

 

うさぎ弁護士のおかげで、この時の私は何を相手に訴えるべきか明白になっていた。

そして、「なんで?」って釈然(しゃくぜん)としなかった疑問が解けていた。

 

それは、電話でうさぎ弁護士から言われた言葉。

 

電 話

 

うさぎ弁護士
うさぎ弁護士

wata-siroさんは・・・

黒猫さんのビジネスのお手伝いをしたんでしょ?

 

wata-siro
wata-siro

ええ、そうです。

 

うさぎ弁護士
うさぎ弁護士

だったら、この契約は請負契約じゃなくて、

労働の対価として報酬を受け取ったということですよね?

 

wata-siro
wata-siro

はい。。。

そ、そうなんです・・・。(うっ?請負契約???)

 

実は、私に送られてきた内容証明の中に、請負契約の解除通告があった。

私は、単純に「黒猫さんとの契約関係を解除するという宣言」だけだと思って、それ以上の意味を深読みすることはなかった。

 

だけど、内容証明には原状回復を求めるという言葉が、何度か出てきていた。

原状回復
ある事情によってもたらされた現在の状態を、本来の状態に戻すこと。例えば、契約を解除した場合、契約締結以前の状態に回復させること。-デジタル大辞泉より引用-

原状回復って、元に戻してってことなんだろうけど・・・

 

 契約を解除すると通告してきた理由は、原状を回復するという目的があった。

 

民法第545条

  1. 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
  2. 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない
  3. 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない

 

原状回復の義務が発生するためには、契約の解除が必要なのだ。

逆に、契約解除なしに原状回復の義務は発生しない。

 

民法のことなどまったく頭になかった私は、

wata-siro
wata-siro

「そんなの出来るわけない!」と、憤(いきどお)っていた。

 

だって、私は黒猫さんの開店準備のお手伝いを実際にやってきたわけだし。

普通は働いたらその分の給料をもらう。

これがうさぎ弁護士が言っていた、労働の対価による報酬。

 

話もなく一方的に契約解除してきて、元に戻せって、そんなの無理でしょ。

何も無かったことにして、現金で全額返せってどう考えてもおかしい。

じゃあ私の時間は戻せるの?

 

なんで代理人弁護士は、こんな理不尽(りふじん)なこと言ってくるんだろう・・・

この理解不能な要求に対して、私は悶々(もんもん)としていた。

 

1-2. 民法第545条を根拠にしていた相手の意図を読み解く

 

だけど、これには相手の意図があった。

民法第545条の1
当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う

私が世間知らずだった、ってことに尽きるんだろうけど。

 

世の中、法律を中心に動いているようなものかもしれない。

普段何気に生活している私は、民法がどうのこうのと考えて行動したりしない。

だけど代理人弁護士は、私の浅はかな考えとは違って感情惰性ではなく、意図的な根拠があったはず。

 

 契約の解除を通告してきたのは、原状を回復する義務がある民法で定められているからだ。

 

解除の効果

契約は解除されると以下の四つの効力が発生する。

  1. 未履行債務などの、契約による法的拘束からの解放(契約の遡及消滅につき大判大9・4・7)
  2. 既履行債務に対する原状回復義務の発生。(545条1項)
  3. 上記で償いきれない損害がある時は、損害賠償請求権が発生。(545条3項)
  4. 但し、上記の効果により第三者を害する事はできない。(545条1項但書)

 

相手の意図・まとめ

 

⑴契約解除

依頼した仕事は途中で完成していないから、契約解除して無かったことにする。

つまり、契約から生じた効果は遡及的(過去にさかのぼって)に消滅する。

⑵原状回復義務

無かったことに対して、払った報酬は全額返す義務がある。

⑶損害賠償請求

この条件を受け入れられないときは、訴訟を起こし損害賠償を請求する。

 

うさぎ弁護士からの電話を受けて、内容証明の文書に書かれていることを読み解くと、こういうことだと推測できた。

 

1-3. 業務契約には請負と委任の判断が決め手となる

 

この時、私は何か釈然(しゃくぜん)としないことがあった。

 私は、請負契約をしていたのか?

 

内容証明の中に、請負契約の解除と記載があった。

まんまと、請負契約をしていたように洗脳されてしまっていた。

 

当初、黒猫さんとの話し合いの中で契約書を作成していた。

無料弁護士相談の時、この契約書についてうさぎ弁護士に知らせていなかった。

わずか30分の無料弁護士相談の中では、この説明まで行きつかなかったからだ。

にも拘(かかわ)らず、うさぎ弁護士はこの契約が請負契約ではないと指摘している。

 

うさぎ弁護士からの電話の後、もう一度契約書を見てみることにした。

それには、業務契約書と記載していたのだ。

請負契約という記載はない。

 

契約というのは、大まかに2通り。

  1. 請負契約・・・依頼された仕事の完成を目的とした契約
    ⇒仕事の結果に責任
  2. 委任契約・・・依頼された仕事のプロセス(行為・実施)を目的とした契約
    ⇒仕事の過程に責任

請負契約と委任契約は、明確に異なる別々の契約のこと。

※ 但し、業務の内容が詳細に記載されず、大まかに業務契約書とされることがある。タイトルが業務契約書であっても、内容によっては請負契約であることも多く存在する。

 

うさぎ弁護士からの電話の後、請負契約というワードが気になって調べていた。

私は委任契約を交わしたつもりでも、相手は請負契約だったと主張しているわけだ。

もやもやして釈然としなかった疑問が晴れた瞬間だった。

 

wata-siro
wata-siro

「そっか、そういうことだったんだ!」

 

 

うさぎ弁護士は、電話で素人の私にもわかるように一生懸命説明していた。

それを裏切るかのように、空返事の私はその時すぐにはピンとこなかった。

でも、うさぎ弁護士の口調にはキレがあって、私の背中を後押してくれていた。

 

うさぎ弁護士
うさぎ弁護士

だからあなたは、これから書く手紙に、

これが請負契約じゃなかったことを説明すればいいと思うよ。

 

内容証明には民法第何条に記載している内容だとか、丁寧に説明してくれているわけじゃない。

やたら長々と自己主張した内容が書かれている。

だけど、うさぎ弁護士はたった30分という短時間で私の抱える問題点について情報を吸収していた。

 

無料弁護士相談の時、ややこしい案件だからこの弁護は引き受けたくないと言っていた。

それなのに、一晩考えてくれていたんだと思うと感慨(かんがい)深い。

 

私が抱えている大事な争点をズバリと指摘してくれた。

うさぎ弁護士のおかげで、何を相手に訴えるべきか明白になった。

 

 

私は、書き上げた回答書をもって郵便局へ急いだ。

 

民事裁判が起こる可能性がある場合、手紙を出して相手方が受け取った証拠となる特定記録郵便を利用すること。例)書留など

 

まとめ

・内容証明に書かれていた請負契約の解除には相手の意図があった。
・請負契約とは、仕事を完成させる義務がある。
・代理人弁護士は民法第545条を根拠に内容証明を送ってきたと思われる。
・契約を解除し、原状回復義務を発生させる。
・一方、うさぎ弁護士は、私と黒猫さんとの契約が請負契約ではないと指摘。
・これによって請負契約の意味を知り、私にとっての大事な争点が明らかになった。
・代理人弁護士に送った回答書には、契約関係が請負契約ではないことを訴えた。